10年以上、大手法人のお客様を担当していて、本当に、色々な人がいて、様々な組織がありました。
公的機関も含め、名刺の数でいうとザックリですが、3,000枚は超えてくるわけです。法人数でいえば、その4分1ぐらいでしょうか。
私は「プリセールスSE」という職種でしたので、職種が、純粋な「営業」で、民間企業、そして新規案件獲得の担当の期間があれば、その倍以上になるかもしれません。
どれだけの人と会っていたのかを、1年、1ヶ月、1日の期間で、ざっくり計算してみました。
仮にわかりやすく、3,600人として、それを10年で割ると、 3,600 ÷ 10 = 360 1年で 360人
360人を、1年の12ヶ月で割ると 360 ÷ 12 = 30 1ヶ月あたり 30人
30人を、1ヶ月・30日として割ると 30 ÷ 30 = 1 1日あたり 1人!
げっ!、計算してみると、1日あたり、約1人の新しい方と出会ってたの???
これよりもう少し、少ない気もしますが、自分でも計算してビックリ^^;
数字で見ると、あらためてスゴイなあと思います。
そんな現場で感じたこと、実情、机上だけでは触れられない内容、雰囲気をお伝えして、新規事業の立ち上げのヒントや、日々のソリューション営業、コンサルティングなどに役立てていただければ!と思って説明しますね。
こちらの回の続きです。
業界によって PC は千差万別?
私が関わった主な民間企業は、以下のような業界です。- 製造
- レンタル&リース
- インターネット&WEBサービス
- ハイテク
- 通信
- 流通
- 公共インフラ
戦前に設立された歴史ある、製造業の会社に行ったと思ったら、渋谷にある、今どきな伸び盛りのベンチャー企業に訪問したりと、頭切り替えるのが大変だー、でも、ワクワク♪しながら、動いていましたよ。
これらの業界の中でも付き合いが浅い深いは多少なりともありますが、1つずつ、ふれていきますね。
1.製造
大手の製造業だと、全国各地にいくつも工場があって、1拠点に500名以上働いている方がいるようなところですね。情報システム部門は、工場のそばの建物や、一時的なプレハブ小屋のような建物にあったりします。自動車や重工、造船関係だと、工場の門(入り口)を入って、目的地まで行くのに、徒歩で10分ぐらいかかるなんてところもありましたよ。
情報システム部門の本部は、本社にあったりするのですが、工場は、ハイテク装置がワンサカあり、当然、会社の情報システムとも繋がり、工場がある拠点に、PCも多くあります。
数年前から、工場の装置に、市販のタブレットが組み込まれるケースもあるので、その選定や運用も大事な情報システム部門の仕事です。
日々の運用に追われて、新しいシステムに、投資ができない、積極的でない、旬なITの話題をそもそもあまり知らない、という課題はどこでもあるんですけどね。
他の業界と違う点
製造業で他の業界と明らかに違うのが、CADやCAEといった、製品を設計するために必要なソフトウェアを使うのが特徴で、それらのソフトウェアを使うには、普通のPCと違い、ワークステーションという専用PCを使うケースが大半です。CAD(キャド、英: computer-aided design)は、コンピュータ支援設計(直訳)とも呼ばれ、コンピュータを用いて設計をすること。あるいはコンピュータによる設計支援ツールのこと(CADシステム)。 引用:CAD – Wikipedia
CAE(英: computer aided engineering)とは、コンピュータ技術を活用して製品の設計、製造や工程設計の事前検討の支援を行うこと、またはそれを行うツールである。 計算機支援工学とも言われる。 引用:CAE – Wikipediaワークステーションが、普通のPCと何が違うかというと、大きくは以下の点です。ここに深く触れると長くなるのでサラッと。
- 事務用PCと違って、ワークステーションは製品を作り出す、つまりお金を生み出す超重要なマシン!(技術的なことではないですが・・・)
- NVIDIA社のQuadroという種類のグラフィックボードを搭載していること
- CADやCAEといった設計用ソフトのメーカーが、そのソフトの動作検証をして、認定をした(ISV認証)、言い換えると問題なくソフトが動きますよ、とお墨付きを与えていること
- 最大限のパフォーマンスが出るようにPCが設計されていること
ただ、こだわらずに、普通のPCを、CADやCAEマシンとして使うお客様もいますよ。
工場以外の、事務用のPC に関しては、他の業界とあまり変わらないですね。
製造業は、ワークステーションのPCが大量に存在することが、他の業界と最大の違いです。
事務用のPCは、単純にコスト(消耗品)として見られるのに対して、ワークステーションは、お金を生み出すマシン(資産)として、パフォーマンスが出るか出ないかなどを、厳しく吟味されます。
ワークステーションのメーカー
http://www.lenovojp.com/thinkstation/
↑古巣、レノボのワークステーションのシェアは、世界全体だと 第3位で、国内だと 第4位ですかね。頑張って欲しい、という思いを込めて一番上に表示!
デルのPrecision ワークステーションのご購入はこちら。自宅でもオフィスでも使える高性能PCをお客様のニーズに合わせてカスタマイズできます。
CELSIUS(セルシアス)ワークステーションはハイパフォーマンスと優れた操作性を提供し、幅広いプロフェッショナル・ユーザーの創造性を高次元でサポートします。
Overall Certified Workstation Growth Was More Disappointing Than Expected in the First Quarter of 2015, According to IDC
06 May 2015
http://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS25608215
2.レンタル&リース
レンタルやリースのPCって、ほとんどが業務用なので、仕事以外で関わる機会って、少ないですよね。エンドユーザーは、仕事で使っているPCが、会社が買い取ったPCか、リースかなんて、関係ありませんしね。見分け方は、リース品なら、PCにリース会社のシールが貼ってますね。中身は、普通のPCと同じです。
他の業界と違う点
レンタル&リースの会社(以降、リース会社)は、PCメーカーにとって、他の業界とは付き合い方が違うお客様ですね。大手のリース会社は、あるPCを商材として取り扱うと決めたら、定期的にプランを立てて、一定数のPCを大量に購入します。この部分、何を意味するか分かりますよね??
売上の見込みが立つ、売上予測が付く、ということです。
売上見込が定期的にあるって、事業をするうえで、なんてイイことか!と1人会社をやってみて、心から、心から!思います。余談でした・ω・
それから、私が所属していた、レノボをはじめ、外資系の大手PCメーカーの場合だと、法人向けのPCを、上から下のランクまで、フルラインナップを揃えていますが、もちろんモデルにより数量の多い少ないはあるにせよ、だいたいまんべんなく、取り揃えているPCを買います。
選べるPCの選択肢が少ないと、リース会社のお客様が、他のリース会社に流れていってしまいますからね。
大手のリース会社の特徴(環境・サービス)
大手のリース会社の特徴は、倉庫があり、PCのキッティングのサービスができ、その作業場所があることです。私は、何度も実際に訪問したことがあります。そりゃー立派なもんです。
リース品のPCを倉庫に一時保管し、リースに出す前に
- 同梱物のリストが書かれた書類を箱に入れる
- お客様の要望に合わせてPCをセットアップする
- PCの外観を新品のように綺麗にする(独自のノウハウがあります)
大事なポイント
あと他の業界と明らかに、明らかに!違うのは、リース会社が扱うPCは、売り物、商材なんですね。
そのPCが自分たちの売上に繋がる商品なのか、がPCの購入数量を決めるキーポイントなので、PCのマーケットの状況や、PCの人気動向を、すごく気にされます。
また、競合のリース会社の状況に関しても気にする傾向にありますね。PCを扱う、大手のリース会社って、数社ですから。
まとめ
まだ2つの業界にしか触れていませんが、思いのほか、長くなってしまいました。業界によって、扱うPCや、PCに対する考え方が違うんですよね~
書き始めるまではどんなこと書こうか実は悩んでたんですが、情報を整理してたら、書くことがあるわ、あるわ。考えて絞り出せば出てくるもんですね。
続きは、また次回に。
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小松 英二
代表取締役 : 株式会社ワークスピーディー
ソニーの情報システム子会社で、5万人以上のユーザー向けの社内ヘルプデスクや、認証サーバ・メールサーバの運用を経験。その後、日本マイクロソフトや、レノボ・ジャパンで、大手法人営業のプリセールスSE を担い、ソフトウェアからハードウェアまで幅広い知識と経験を持つ。現在はIT企業、株式会社ワークスピーディーの代表取締役。
詳しくはこちら → プロフィール
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