6月2日(木)にAWS Summit 2016 に参加してきました。 AWS とは、Amazon Web Service の略称で、書籍のECサイトから始まり、今や、インターネット上のECサイトでは、世界的に超巨大になったAmazon が提供する、クラウドサービスのことです。
AWS だけにフォーカスしてしまうと、それだけで、記事が終わってしまうので、AWS に関しては、別の機会に触れたいと思います。
当イベントへの参加目的は、大きく以下3つです。
- AWS(Amazon Web Service)の製品・サービスを知ること
- AWS の最新情報を把握すること
- 中小組織のクラウド活用に関する情報収集
参加した2つのセッションについて
どちらも規模感は似ていて、- 206名が在籍する「監査法人」
- 210名の従業員がいる「民間企業」
監査法人の事例は、特に士業の方に参考になるかもしれません。
民間企業の事例は、同じような課題を抱えた組織ばかりだと思いますので、なんだか、ひとごとでなく、勝手に使命感が高まってきました(笑)。
監査法人の事例
【仰星マネジメントコンサルティング様登壇】国内監査法人初、Amazon WorkSpaces を活用した業務効率化とリスクベースアプローチの適用事例画像の引用元:AWS Summit Tokyo 2016 – クラウド活用の最適解、ここに集結
私たち仰星監査法人は、すべてに公正と誠実を貫き、高品質なサービス提供を通じて、日本経済や地域社会の発展に貢献します。
Before のスライドをご覧ください。
↑ 「えっ、親機?電話みたい!?」って、一瞬思いました。
USB メモリにデータを移動させたりして、それこそ盗難・紛失時のセキュリティ大丈夫だったのか、と思ってしまいした。
そして、次に、After のスライドです。
↑ 超スッキリ! 親機のPC が無くなったので、1台の運用となり、シンプルですよね。
技術的に細かいことを書くと、伝わりづらいので、ここで言いたいのは、IT活用、クラウド活用することで、業務を効率的にして、かつ、セキュリティのレベルも高めて、コストも抑えられる、ということが可能なんですよ。
Before 見てもらったら、分かりますけど、業務のプロセスが色々ありますよね。
雑な言い方ですが、実業務をしていた人たちは、クソ面倒くさかったのではないでしょうか。
この技術は、クライアントOS を仮想化する技術を使っていて、数年前だと、以下のようなことがありました。
「サーバを構築しないといけない。初期費用、維持費用が膨大」
「ホスティングで提供してる仮想化技術は価格が高い」
「ネットワークが遅くて、あるいは繋がりにくくて使いものにならない」
中小組織で、予算が潤沢でなければ、とてもじゃないけど、検討の土台にも乗らず、導入できないシロモノでしたが、クラウド環境で利用できるようになり、なにより、価格が検討できるレベルにまで下がった点が、徐々に導入事例が増えてきている一因だと考えています。
士業の事務所への導入
この監査法人と同様に、士業の方々は、1人でやられている事務所も同じく、業種にもよりますが民間企業よりも比較的に機微情報を保有していると思います。法律事務所なんて、一度セキュリティ事故起こしたら、もうアウトですよね。
また、会計、人事、法務といったバックオフィス業務では、専用の業務システムを使っていて、事務所でないと使えない環境のところが多いでしょう。
当該事例のような環境にすれば、外出先などでも事務所と変わらず仕事でき、随分と仕事環境を変えられる気がします。
AWSによる仮想デスクトップの価格
↑ サーバやストレージの部分は、分かりにくいと思いますが、仮想デスクトップだけでみれば、1ユーザーあたり7,000円、年間で、82,000円。サポートセンターの費用も別途かかりますが、小組織でも、検討できない価格ではないですよね。
スピーカーの方もおっしゃってましたが、リスク管理という点でも、検討する価値はありそうです。
使われていた AWS の製品
文面だけでは分かりにくい面があるので、ここはあんまり深く説明しませんね。すみません。あらゆるワークロードに対応する、安全で信頼性の高いフルマネージド型仮想デスクトップ。
大事なポイント
↑ 説明でも言ってましたが、ITの部分は、専任の方が組織にいないそうで、このスライドにもあるとおり、全部を組織内でやろうとすると、本当に大変なので、内部でやることと、外部の専門家に任せることをしっかり分けて考えるべきです。私の役割は、このスライドでいう、まさに外部専門家の部分です!
自然化粧品を製造・販売する民間企業の事例
【ネイチャーズウェイ様登壇】中小企業情シスのクラウド活用 画像の引用元:AWS Summit Tokyo 2016 – クラウド活用の最適解、ここに集結
ナチュラル・オーガニックコスメを取り揃えた【ネイチャーズウェイ オンラインショップ】|メイクアップ、スキンケア、ボディケア、ヘアケアまで「植物の力で、なりたい私へ」を叶える自然素材にこだわった豊富なラインナップの公式オンラインショップです。
なので、上述のセッションよりも、すごーく、生々しい話が聞けました。
私は化粧品に詳しくないので、初めて知ったブランドなんですが、デザインや雰囲気も洗練されててなかなか魅力的な化粧品ですね。
ナチュラルオーガニックコスメというカテゴリで、固定客がしっかり付いてそうな商品ラインナップになってますね。
さて本題ですが、ちょっと驚いたのが、従業員が、200名ぐらいの規模でも、情報システム部門で働いてる方が、
2人
ということ。
うわー大変なんだろうなあ、仕事いっぱいあるんだろうなあ、と出だしから感じました。
こちらの事例は、(1)基幹システムと、(2)データの分析・レポートのシステムで使っていた、物理的なサーバ(ハードウェア)をすべて、クラウド環境に移行した、というものです。
基幹システムとは
基幹システムというのは何かというと、以下の図が分かりやすいです。↑ 黄色の枠の箇所が、基幹システムに当たるところで、モノのの仕入れから、生産・流通・加工、販売、出荷まで、ビジネスの核となるとシステムです。
このシステムが止まったら、事業がストップして、多大な損害が出るので、その組織において、最も重要なシステムになります。
物理サーバ(ハードウェア)をクラウド環境へ
↑ ハードウェアは、合計4台のサーバと、バックアップ用のストレージが1台既存のハードウェアを、クラウドに置き換えた事例というのは、クラウドベンダーのイベントでは、よくある事例ですね。
ちなみに、移行後のシステム構成は、こういうものでした。
↑ クラウドベンダーにとって理想的で、キレイな移行ですね。
驚いた点は、コストの比較に関して、クラウドにして、スゴく安くなった!という話かと思っていたら、下記のスライドにあるとおり、50万円ほど、AWS(クラウド)の方が高い、と正直に話してるんですよね。
↑ こういうケースもあるということです。
ここでは伝えきれませんが、クラウドにすることで、差額以上に価値があったというのが肝です。
情報システム部門の現状、守備範囲、仕事内容
2人で本当によく出来ていますよね。スピーカーの方も言ってましたが、中小企業ならではの、限られた予算と、人材リソースの中で、色々な工夫を重ねてるようです。大変さがひしひしと伝わってきました。
↑ このボリュームを、2人でカバーしてるってあらためて、スゴイ気がします。
↑ いっぱい仕事ある!!! 文字にされると、また、ギョッとしますね。
こうした話を聞いて、外部のITの専門家を、有効活用してもらえるように、私自身、質が高くて、利用しやすいサービスを提供しないといけない、という思いを新たにしました。
中小組織の至るところで、こんな状況なのでしょうね。
まとめ
AWS (主催者)に選ばれて登壇するぐらいだから、当然なのかもしれませんが、登壇者のお二人とも、とても話が上手で、感じよくて、分かりやすかったです。中小組織のIT活用、クラウド活用、そして、情報システムの内情について、少しでも、伝わりましたかね。
いや~、問題山積みだってことも、よく分かりましたよ。
ここに出てきた方々は、ベストプラクティスといって、成功事例なわけで、変わらない、変えられない、変わろうとしない、現場が数多くあるわけでやりがい感じます。
ではまた!
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小松 英二
代表取締役 : 株式会社ワークスピーディー
ソニーの情報システム子会社で、5万人以上のユーザー向けの社内ヘルプデスクや、認証サーバ・メールサーバの運用を経験。その後、日本マイクロソフトや、レノボ・ジャパンで、大手法人営業のプリセールスSE を担い、ソフトウェアからハードウェアまで幅広い知識と経験を持つ。現在はIT企業、株式会社ワークスピーディーの代表取締役。
詳しくはこちら → プロフィール
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