大手法人向けPC のビジネスで経験した技術的トラブルの事象・事例


Pc, Parts
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レノボにいる5年8ヶ月の間、本当にどっぷりと、大手法人向けPC(主に1,000台以上)のビジネスに浸かってきました。

私は「プリセールスSE」というポジション(職種)でしたので、担当のお客様やビジネスパートナーの元で起きた、あるいは、同じSEチームのメンバーが経験した、技術的トラブルの事象や、事例について、歩くデータベースのごとく、私の頭に、それらが蓄積されています。

PCオタクでもない、普通の方であれば、仮に35歳として、過去に3、4台しか使ってないですよね。

そうすると、PC で起きる、様々なトラブルに遭遇する機会って少なくて、法人向けのPC で、どんなトラブルが起きるか、想像付きにくいかもしれません。

私がレノボに入社する前が、そうでしたもん。自分の経験値だけで判断して、PC のトラブルなんて、そんなたいしてないでしょって。

さて、機微情報などにはもちろん触れない範囲で、過去の履歴を洗い出して、今回のテーマを共有してみますね。

法人向けPC のパーツ(部品)について

PC は、子供のころにやった(女性はあまりやらないですかね・・・)、プラモデルと同じように、多種多用なパーツ(部品)で構成されています。

主要な基本パーツでいうと、以下のようなパーツですね。
1. システムボード(マザーボード)
2. CPU
3. メモリー
4. ストレージ(HDD、SSD)
5. ディスプレイ
6. サウンド
7. 有線LAN
8. 無線LAN
9. トラックポイント・タッチパッド
10. 各種ポート(USB等)
11. Bluetooth
12. 電源
13. 光学ドライブ
14. メディアカードリーダー
15. カメラ
16. 指紋センサー
17. キーボード
18. マウス
19. PCのケース・カバー

何が言いたいかというと、たくさんのパーツがあると、精密機器ですし、何万、何十万台、何百万台と利用されていれば、そりゃ、色々トラブルあります。

PC の見積り・注文時に、スペック(仕様)がカスタマイズされると、お客様によって、構成が色々。

細かいパーツも入れた総数でいえば、1,000 を超えてくるんでしょうね。

それらの構成は、BOMと呼ばれる部品表で確認するようになっていて、営業からプリセールスSE、部品の調達、製造、そして保守・サービスにまで、BOMは利用されます。

実際、営業やプリセールスSE は、BOMをベースとした、もっと簡易なスペック表を活用するんですけどね。
BOM(英: Bill of materials)とは、製造業で用いられる部品表の一形態である。製品を組み立てる時の部品の一覧と、場合によっては階層構造を表す。製品の見積もり時点から、設計、調達、製造、メンテナンスにまで利用され、多岐にわたる近年のものづくりにおいて、BOMは極めて重要である。 BOM (部品表) – Wikipedia

法人向けPC で起きるトラブルの事象・事例

では、前置きはこのぐらいにして、私自身が、実際に対応、遭遇した、具体的なトラブルの事象や事例を、ずらずらと、併記してみます。

だいたいどこのPC メーカーも、似通ったパーツを使っているので、トラブルも類似しているはずなんですけどね。

あえて、分析しませんし、該当のトラブルが多い、少ないなどの傾向も書きませんので、その点はご了承あれ~

PC全般

  • マスターイメージが復元できない。
  • 音が出ない
  • Linuxベースのコピーツールで、イメージのキャプチャ、クローニングができない。
  • ライセンスのアクティベーション(認証)ができない。
  • シャットダウン時に、フリーズ発生
  • Ghostでイメージ取得時、クローニングするときにエラーが出る。
  • 最新のビデオドライバーを当てると、入力言語の設定に不具合
  • シングルおよび、デュアルモニタへの表示不可
  • スケジュール設定した、電源ON/OFFが機能しない。
  • ファンエラーが頻繁に起きる。
  • Windows Updateができない。
  • ストレージやビデオカード(ドライバー・バージョン)の問題で、パフォーマンスが遅い
  • カードリーダーのドライバーがインストールできない。

タブレット、ノートPC

  • バッテリーがすぐ切れる。
  • 数日使ってないと時刻が大幅にずれる。
  • キャリアの閉域網ネットワークにアクセス不可
  • ドック利用時、リカバリー時にブルースクリーンエラー
  • 長期間利用していないマシンが、電源オンしない(電源、バッテリー関係のトラブル)
  • 特定の無線LANアクセスポイント、または、そのファームウェアと相性が悪い。
  • 無線LAN で「制限あり」の表示がたまに出て接続不可になる
  • 暗号化ソフト利用時、休止状態からの復帰が遅い。
  • 暗号化ソフトとストレージドライバーの相性問題で動作不良
  • オフィスのフロアを移動中、無線LANが寸断する。
  • 有線LANを使うと通信速度が異様に遅い。
  • 特定のソフト利用時、外側のカメラだけが使えない。
  • 起動時に真っ黒な画面でエラー
  • USBキーのWiFiルーターが利用できない。
  • シンクラ環境でトラックポイントが正常に機能しない。
  • ファンクションキーが利用できない。
  • 無線LANのソフトで、一部の日本語が入力されていると、接続不可になる。
  • 無線LANのON/OFFスイッチが壊れる。
  • パームレストが割れる。
  • USBポートに装着したケーブルがなかなか抜けない。
  • タッチパッドが機能しない。
  • キーボード入力が一部機能しない。

タブレット

  • タッチが機能しない。
  • カメラのドライバーが不要なデバイスのまま認識しない。
  • 暗号化ソフト利用時、スタンバイまたは、電源起動時、OS起動しない。
  • オンスクリーンキーボードが表示しない。

まとめ

保守サービスの部門では、ありとあらゆる、トラブル事象や事例を把握しているわけですが、私が担当した、大手法人向けのプリセールスSE の仕事では、ざっくりと、上記のようなトラブルに対応しました。

整理していると、走馬灯のように、過去のことを思い出しましたよ(T_T) 

トラブルですから、時間に追われる、大変な対応もありました。

現場の何十台もの、パーツを、手分けして交換したり、とかもね。

特に、関係する仕事をしている人に、少しでも、役に立てればいいですね~
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ソニーの情報システム子会社で、5万人以上のユーザー向けの社内ヘルプデスクや、認証サーバ・メールサーバの運用を経験。その後、日本マイクロソフトや、レノボ・ジャパンで、大手法人営業のプリセールスSE を担い、ソフトウェアからハードウェアまで幅広い知識と経験を持つ。現在はIT企業、株式会社ワークスピーディーの代表取締役。 詳しくはこちら → プロフィール